令和元年、父母の故郷へ | ひさみん日和

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令和元年、父母の故郷へ

故郷

父母の故郷へ
数十年ぶりに訪ねたのは
三年前のちょうど今頃でした

最近また母がよく
自分が生まれ育った場所へ行きたいと
しきりに言うようになり

一方わたしは
母の故郷から30分奥の町の
父の故郷のお墓が
とても気になっていて

忙しかったゴールデンウィークも
終えた翌日

ちょうどその朝帰省してきた
長男も連れて夫と母の4人で出かけることに

島根まで続く、やまなみ街道ができたお陰で
口和ICまで1時間半くらいで到着です

ここからはお店もコンビニも無いので
まずは、早めの昼食をとることに

 

君田温泉の道の駅へ

君田君田温泉は有名

温泉に入りたいのは山々だけど
ゆっくりはしてられないから
今回はパス! 🙁

君田おやつに焼きたてパンを買って

比婆牛が食べたかったけど
どうやらここには無いようで

ポークがおすすめとのこと

君田母はお刺身定食
それ以外3人はポークカツ定食で

 

そこから15分走ると
母の故郷、口和町

今では家もなく身内もいない
かつて父が教師をしていた小学校の裏に
古い時代のたくさんのお墓が残るだけ

坂口家・・と記された墓はひとつもなく
名も無きお墓たち 🙁

故郷この墓は元々はこの土地に
バラバラに点在していたのを

近くに住む遠い親戚が
寄せてくださったらしい

故郷

花びらが舞い
昔懐かしい山を見つめて
母が目を細める

故郷

急に、みっちゃんに会いに行く
と言い歩き出す

坂道を下り上り
玄関のベルを押すと

中からどこかで見たような
おじいさん

父の仏壇を世話してくださった方らしい
その昔は仏壇屋さんだった

その奥さんが目を丸くして
母の姿によほど驚いたらしく

「れいちゃん?本当にれいちゃんなん!
あの綺麗だったれいちゃん!?」

そう何度も何度も言っては
信じられない様子 😆

母が化粧もせず
あまりにもよく太っていて
昔の面影がなかったみたい :mrgreen:

 

同級生や一緒に遊んだ友達の名前が
まるで頭の中の霧が晴れたかのように
次から次へと出て来る母

記憶が一気に蘇ったようだ

あれも死んだ
これも死んだ

と、そのみっちゃんは言う 😥

故郷わずかな時間だったけど
これからも元気でいようと
握手を交わして次へ向かうことに

口和町から約30分

父が生まれ育った比和町へ

三年前はぐるぐると探し回ったけど
今回は住所がわかったお陰でスムーズに到着

故郷
子どもの頃、一度だけ訪れた時
見た光景

牛はもういないけど
牛舎は昔のまま

車の音を聞いて
家の中からおばさんが飛び出してきて
母の顔を見るなり喜んでくださった

おじさん(父のお兄さんで長男)は95歳

寝たきりになって6年
喋ることもなかなか難しいし
耳も遠くなっていた

それでも、おばさんが
「定さんの下の娘ともこよ」
と耳元で大きな声を出すと

ゆっくりと口を開けて

さだむは・・・

かしこい・・・

さだむは・・・

いちばん、かしこかった・・・

おじさんも教師をしていたらしい

たくさんの兄弟がいる中で
一番勉強ができた父を医者にさせてやろうと
大学受験をさせてくれた

でもちょうど戦時中
原爆投下の混乱の中

父は医学部を断念した

そして、口和で小学校の教師をして
下宿先の娘(当時高校生の母)と恋に落ちた

母は、父親も母親も早くに亡くし
祖父母に育てられたため

父の父母は二人の結婚に反対で
駆け落ち同然で広島へ

その程度の話は私も知るところ

実際はもっとすごい人生のドラマが
ありそうだけど

母は格好の悪いことは話してくれない

どちらかというと秘密主義
最近ようやくぽつりぽつりと話すことも

実際、反対されていたことで
この田舎にもほとんど来ることはなかったのだろう

それで、父が亡くなった時
父方の家紋もわからず

お墓に自分の家紋を彫ってしまい 😆

父の兄弟に
家紋が違う、と指摘されたのだった! :mrgreen:

気になっていた家紋の話をすると
おばさんが教えてくれた

《二重亀甲の三引き》

本家は神社で、そこの社紋だという

そうだったのか

もし、父が生きていたら
先祖のことや他にも残すべきこと
伝えていくことを

きちんと整理して教えてくれたことだろう

なんの因果かわからないけど
私は結婚したにもかかわらず

姓は変わらないまま

たまたま結婚した相手の国
韓国が夫婦別姓の国だからだ

それでもおばさんは
私がこの姓を継いでくれていて
とても嬉しい、と言ってくれた

 

今では畑も田んぼもできず
草がいっぱい生えた中に

つくしやわらびがあちこちに

故郷

長男はわらびご飯が大好きで
ちょうど食べたかったらしく

たくさん採らせてもらっていた

故郷
まむしが出るよ~と言われても
わらびとりに夢中の長男 😆

故郷

おじさんとおばさんに
来年もまた来ますと約束して

故郷向かったのは
気になっていた
父の先祖のお墓まいり

家紋もわからないほど
苔が生えていて

故郷軍手で丁寧にはらっていたら

くっきりと現れた家紋

故郷こんな家紋だったとは
この歳で初めて知りました 😯

先祖代々のお墓が立ち並ぶ
山の中腹

故郷

辺り一面草だらけで
まずは草取り

故郷

 

ここに眠る先祖の方々から
命が繋がって私がいて

その先に、あなた(長男)もいる

そのことをしみじみ噛みしめながら
長男もがんばって草抜き

あれ、いつの間にか
ふたりでまたわらび採ってる?(笑)

故郷空を見上げると雲ひとつ無く
吸い込まれそうな青い空

故郷来て良かった
今日こうして母を連れて
長男も連れて来れて良かった

そして、何よりも夫にありがとう 😮

その夜、ショックな出来事が・・

長男が大学から約6年間
つきあっていた彼女と別れてしまったこと

可愛くて賢くて
素直でしっかりしていて

長男にはもったいないほどの
すてきなお嬢さんでした

てっきりこのまま結婚するのだと
思っていたから

夫も私もショックで
悲しくて 😥

彼女もきっと思い描いてくれた
私たちが何度も想像した
幸せな家庭を

長男は思い描くことは
できなかったのか

残念で仕方ありません 🙁

その時ふと思い出したのは

かつて私が若かった頃
どうしても結婚に踏みきれなかったときに
母が言った言葉

どうしていけんのんね
あんなにいい子を
どうして・・・

《因果応報》

そんな言葉がふとよぎった
一日の終わりなのでした

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けんちゃんのいりこ屋店長・ひさみん(久光智子)
けんちゃんのいりこ屋店長・ひさみん(久光智子)

鞆の浦でいりこ屋を営んでいます。趣味は描く、綴る、歌う。特技は有り合わせで思い付き料理を作ること。
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