27Nov
ローマ法王が来日
広島へ来られると知り
夫けんちゃんが会いに行きたい!と
言ったのは随分前のこと
お歳暮も始まり忙しくなり
忘れてるかなぁ~と思ったけど
しっかり、その気でいたようで
鞆の軽トラ市が終わった後
突然、「行くぞ!」と
実は、夫はカトリック
夫の家がカトリックなのです
韓国では、日本の宗派は○○です
というのとはちょっと違い
カトリック、キリスト教(宗派は多数)
仏教など
どの宗教も比較的熱心で
私が夫とつきあいだしたときには
教会で懺悔したのだとか?
亡くなられたお父さんと
二番目のお姉さんは特に
信仰深く
二年前に韓国に行った際には
お姉さんは朝4時頃から
祈祷されていた
それが毎日の日課だとか
私たちの結婚式も田舎の
カトリック教会で挙げたのでした
写真は、日本で夫が
信仰を忘れないようにと
お姉さんがくださった
チョゴリを着たマリア様
ローマ法王のことを教皇と呼び
全世界のカトリック教会の
最高位聖職者
神様のような存在なので
夫にとってもそれは夢のような話で
一生に一度お会いできるかどうか
私たちは高速バスに揺られ広島へ
初めてのおりづるタワー
中に入るのはまた今度!
写真にやたらと入りたがる夫(笑)
原爆ドームの前で
教皇は長崎から夕方、広島へ来られ
平和のための集いを行うとのこと
平和公園付近は
朝から厳戒態勢で
既にバリケードが設置され
公園内に立ち入ることはできませんでした
土手に溢れる人々
この中に私服警官もいる模様
道路を挟んだ向かい(こちら)の歩道には
沢山の人の群れが!!
この道路を渡って中に入れるのは
招待状を持った人だけ
近くにいた兵庫から来たと言う
女性に話を聞くと
カトリックの信者でも
中に入れるのはわずかで
教会でも抽選だったのだとか
シスターでさえも入ることができず
じっと佇んでおられた
やがて警察官が大勢やって来て
ここに居てはいけません
移動してください!と
土谷病院前のスペースには
長い柵が設置されていて
その中に入ってください、と
親切な警官のひとりが
「ここに居ても教皇は通られません
教皇を乗せた車は吉島通りを通って
公園内に入る予定です。」
と教えてくれたので
夫と私、そして兵庫から来たその女性と
三人で速やかに移動
しかし、それにしても
どこに行っても人人人!!!
移動した先でもまた
移動して下さいと言われ
人混みの後側に立って待つこと1時間半
時間が迫るにつれ
警官がマイクを使って
注意事項を呼びかける
前の人を押さないでください
一緒に走り出さないでください
鞄や携帯など物を投げないでください
カメラのフラッシュはつけないでください
車が通り過ぎてすぐに動かないでください
警官もこんなに大勢が押し寄せるとは
想定外だったようで
応援を呼んで誘導にバタバタとしていた
何よりも想定外だったのは
きっと、外国人が多かったことかもしれない
警官は日本語でしか話さないので
何を言ってるの?とあちこちで
日本人に聞く外国人の姿が見受けられた
ひょっとして半分は外国人では?
そのくらい本当に外国人が多く
他国の人々が同様に
ローマ法王を待ちわびていた
そして100メートル道路と
吉島線の一部が通行止めになり
いよいよ!という時
警官が
「お年寄りと小さな子どもは
前の方に譲ってあげてください。」
通常はどうだろうか
色んな場面でそれでも知らんぷりする
大人は多くないだろうか
でも、その場は違っていて
そのアナウンスを聞くと
あちこちで人々が
小さな子どもに
「おいで」と手招きして
自分よりも前に入れてあげる光景が!
私も後の子どもを前にいれてあげたけれど
私自身も私よりも前にいた女性
(三人の子どもの若いお母さん)が
「どうぞ、こちら前に来て下さい。」
と、入れて下さったのだった!
何時間もかけて少しでも近くで
お目にかかりたいと
スタンバイしていたにも関わらず
どうぞ、と場所を譲る
心の深さ・・・
これはこの場は
まさに特別なのだ
なんだかわからないけど
私を含め、周りの誰もが
そんな慈愛の心に満ちていた
やがて、数台のパトカーと白バイに続いて
黒い車から手を振るお姿が!
わあーーーー!
っと周囲の歓声と共に
車は通りすぎ公園内へ
あっという間の出来事
私たちは中央に移動して
遠くかすかに見えるモニターを
凝視するけれど
遠い、遠すぎる・・・
すると、近くでひとりの
アジア系外国人の女性が
ライブ映像を流し始めると
そこにいろんな国の人たちが集まり
スピーチの様子を見ることができた
その動画を見せる人
見せてもらう人
その動画をまた自分のスマホで撮る人
それをまた見る人
見渡すと様々な国の人たちが
様々な言語で話しながら
ある人は目に涙を浮かべながら
ある人は賛美歌を口ずさみながら
教皇の姿を見て言葉を感じていた
何を話されたのかは
その時は私たちもわからず
翌日、後になって知ったのだけど
平和は非武装しかあり得ない
核を平和のための盾のように
交渉の手段にしては決してならない
核を持っている以上は平和は実現しないのだ
私のかつての思い出のベンチ
そこには今はこのようなモニュメントがあり
世界中の各国の言語で
《平和》の文字が繰り返し
書かれています
右を見ても
左を見ても
ライトに照らされ幻想的です
一時間ほどで教皇の滞在は終わり
また来られた道順でお見送り
車の中から手を振って次の目的地東京へ
規制が解除されたのちは
先ほどまで教皇がおられた平和公園へ
多くの人が入ってゆきました
ひととき一緒に行動した
兵庫の女性ともお別れ
お互い名前も聞かなかったけれど
またどこかで会えるかも知れない
そんな気がしました
目指すのは原爆慰霊碑
「入らんでいい!」
というのに写りたい夫(笑)
慰霊碑の前で手を合わせ
祈りを捧げました
38年前に当時のローマ法王が
広島に来られたときの祈念碑があります
だから~
入らんでいいって!(笑)
夫が行った後にもう一枚
『戦争は人間のしわざです』
上の手のようなのは
二羽の鳩だそうです
先日、ちょうどテレビでやっていました
平和の時計です
広島への原爆投下から
これだけの年月が流れたのに
最後の核実験から
たったこれほどしか経っていないのです
人類は愚かです
それから私たちは平和公園から歩いて
バスセンターのあるそごうへ
お腹が空いたので10階のレストラン街で
韓国料理を食べました
夫は宮中ピビンパ
チヂミやチャプチェもついています
私は、石焼きプルコギピビンパと
スントゥブのセット
ローマ法王が上智大学で
若者たちに向けて語られた言葉は
私たち大人にも心に響くことで
今からでもこんな人でありたい
そうあり続けたいと強く思ったのでした
どんなに複雑な状況であっても
自分たちの行動が公正かつ人間的であり
正直で責任を持つことを心がけ
弱者を擁護するような人になってください。
ことばと行動が偽りや欺まんであることが
少なくない今の時代において
特に必要とされる誠実な人になってください。
今は世界も日本も
とんでもない世の中だけど
この日出会ったいろんな国の人々のように
お互いを尊重し、慈しみ
愛で満たすことができたなら
もしかしたら
平和が実現するかもしれない
そんな希望を感じることができた
広島平和公園の夜でした
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