ゆるやかに手放すこと | ひさみん日和

 

緊急事態宣言も解除され
観光地としては複雑な思いを
抱えながらも

このままずっと休業しているわけにもいかず

店舗の営業を再開します

5月は、金土日だけの営業とします

時間は１０時～１６時と短縮しています

元通りになるのには
きっと時間がかかると思われます

この機会にお店もできる範囲で
変えていこうと思っています

まずは、店内の片付けから・・・

夫と二人でいらないものを捨て
店に必要ない物は持ち帰り

母がとにかく箱を重ねるのが趣味？
ってくらい

空の段ボールがたくさん！

それとなんでも
広告で几帳面に包んであって
それが何なのか

おそらく母も覚えていないので
ひとつひとつ開けて確認！

驚いたのは、１５年間で
お客さまから沢山のお手紙を頂いていたこと

お店に直接届いた手紙は
私も知らなかった
お返事はちゃんと書いたのだろうか

そして、送って下さった写真や
地元の写真家さんから
頂いた写真など多数

ざっと１００枚以上はありそう

今の場所にお店を開いたのは１５年前の２月
母は７２歳くらいでまだまだ若かったな

今はしてないけど
備後絣の手作り暖簾
こちらは二枚目

ボロボロで・・・

でも、捨てるに捨てれず

この写真の手前にある豆菓子は
尾道のがんこ爺さんの豆

亡くなられて廃業されて
いまはもうないけど懐かしい・・・

ご近所さんとのツーショットも

石川のおばあちゃん

しばたさん

どちらも今は天国へ・・・

スロバ・・・キニア？の人？（笑）

隣にいた門田くん
結婚して神石でこんにゃく作って
がんばってる

母の好きな龍馬さん
額に入れてたら
「福山雅治さんですか？」と
間違われることもしばしば

蛭子さん
母の絵を描いて下さった

香川照之さん
流星ワゴンの撮影時に

芸能人の写真やサインの他に

母が大事にしているのは
学生たちの寄せ書き

母にはここで数え切れないほどの
多くの出逢いがあったんだなあと
つくづくその日々の重みを感じて

今まで本当にありがとう

これからは
たまに手伝ってもらう程度に
なるかもしれないけど

誰にも母の代わりはできませんね

先日・・・

私も心の断捨離をしました

夫が窯に火をくべていたので
一緒に焼いてもらいました

ずっと長い間
大切に持っていた日記帳

小学５年から高校２年くらいまで
毎日書き留めた思い出

夫は

「え？もったいない！」
と言いました

だって・・・

取っておいていつか子どもたちに
見られても恥ずかしいじゃん

特に中学三年間の出来事は
再会した同級生の彼とのことが
綴られていて

その時はこの日記を探し出してなくて
あとから読み返して泣けてきて

もしまた次に再会することがあったなら

あなたが言ってたこと
私も日記にちゃんと書いてあったよ
あの頃は同じ想いだったんだね

って、笑って話そうと思ってた

２０１８年４月のブログを書いたときは
そんな気持ちでいたから

題名のない詩

まさか、あれから１０ヶ月後に
突然亡くなってしまうなんて

もっと早くこの日記を読んでいたら
何かが変わっていたのかな

言えなかった想いは
永遠に言えないままに

灰になって

煙になって

空に昇ってゆき

青春が終わったんだな・・・

と、夫がぽつりとつぶやいた

畑のレモンの花が
甘く爽やかに香り

空を見上げたら
大粒の雨が急に降り出して

彼が亡くなって以来
どこかで自分を攻めていた
なにかがふわっと解き放たれた気がして

気持ちがすうっと楽になった

そうしてわたしたちは

大切なものをひとつずつ手放しながら

来るべき時が訪れるまでに

ゆっくりと忘れてゆく

ありがとうの思いだけを残して